日韓学術交流会

第10回日韓学術交流会・25周年記念例会・講演会・記念懇親会報告

第10回日韓学術交流会・25周年記念例会・講演会・記念懇親会報告
第10回日韓学術交流会・25周年記念例会・講演会・記念懇親会報告

日 時: 平成22年11月7日(日)
講演会:大阪国際会議場12F会議室
懇親会:大阪国際会議場 5階レストラン キューブサンク

平成22年11月7日(日)大阪国際会議場にて第10回日韓学術交流会が、25周・第100回記念例会と合わせて開催されました。

長田卓央先生の司会の下、講演会に先立ち佐藤文夫会長から開会の挨拶が行われました。
挨拶の中で日韓学術交流会は故阪本義樹名誉会長と韓国・国際インプラント学士会の金 鴻基会長との個人的な交流がきっかけで始まったことや以後10年間の交流への思いなどを述べられました。
その後、金 鴻基先生へ佐藤会長から交流事業への感謝状と当会特別会員の認証状が授与されました。
佐藤会長の挨拶に続いて金 鴻基会長から第10回日韓学術交流会への祝辞と感謝状への謝辞の言葉をいただきました。

講演会は、山野総一郎先生のコーディネーターで“インプラントと天然歯との長期安定を求めて”をテーマに、インプラントの立場から阪本貴司先生とKim, Tae Young先生が、補綴の立場から勝喜久先生とPark, Won Hee先生が、歯周病の立場から高田勝彦先生とKim, Hyoun Chull先生の6名の先生が発表されました。
今回は日韓の同時通訳ブースも設置され、講演内容はすべて3名の通訳者から専用のレシーバーにて会場の先生に配信されました。
例年の通訳なしの講演と違い、質疑応答まで通訳され活発な議論がなされました。
記念懇親会は、石見隆夫先生が司会で始まり、佐藤文夫会長の挨拶の後、韓国・国際インプラント学士会会長の金 鴻基先生から佐藤文夫会長へ韓国側からの感謝状が授与されました。
西村敏治先生の乾杯の後、韓国からの参加の先生や来賓の先生から挨拶を頂きました。

10年は短いようですが、毎年大阪とソウルを行き来する事を考えるとやはり10年間もよく続いているというのが実感です。毎年の事ですが懇親会は大いに盛り上がります。
いろんな場所で「乾杯!」の声が聞こえてきます。
韓国の先生は特に乾杯でお酒を飲み干すことが大好きです。
当会の先生方も日曜日の夜というのによく飲まれていました。

懇親会の予定時間はあっという間に過ぎ、阪本貴司先生の閉会の挨拶で懇親会は終了しました。
第11回交流会は来年春頃に開催されます。今度はソウルで乾杯です。

第9回日韓学術交流会

第9回日韓学術交流会
第9回日韓学術交流会がソウル市内にて開催されました。

2009年6月13日,ソウル市内のWesten Chosun Hotel にて第9回日韓学術交流会が開催されました。
日本からは佐藤文夫会長、阿保幸雄先生、阪本貴司先生、奥田謙一先生、西川和章先生、木村 正先生、高田光彦先生、岸本博人先生の8名が参加しました。

日本からは阪本貴司先生が特別講演として”Implant operation from standard level to complex level”について講演されました。
また会員発表として高田光彦先生が”Minimal Intervention”について講演されました。
例年の事ですが、術式や使用材料などについて韓国の先生から非常に多くの質問がありました。
講演後には懇親会にも招待され、韓国の先生方といろいろな話意見交換を行うことができました。
韓国国内での歯科医師の数は約3万人で、日本と同じく年々増えているようです。
韓国の歯科医師は腸骨などの移植も出来る資格があります。
そのためにサイナスリフトなどのインプラントと併用して行う外科手術を行う歯科医の割合は
日本よりもかなり多いようです。
一方で充填や根管治療などの日本ではかなり注目されている接着性歯科治療については、まだそれほど注目されていないような気がしました。

本学術交換会も来年度は第10回の迎え、当研究会の100回記念例会と会わせてた記念交流会として2010年11月7日(日)に大阪国際会議場で開催されます。
日韓の交流会が互いの医療のレベル向上につながる事を期待し、また今後多くの先生がこの交流会に参加されることを願っています。

第90回例会 特別講演会・第8回日韓学術交流会

第90回例会 特別講演会・第8回日韓学術交流会
第90回例会 特別講演会・第8回日韓学術交流会

平成20年5月25日、大阪国際会議場において第8回日韓学術交流会を開催しました。
今年は日本での開催となりましたので、当研究会の第90回例会・特別講演会と同時開催としました。
韓国側からは金 賢哲先生が”上顎骨における骨造成のためののサイナスリフトやソケットリフトの検討”について講演されました。
また金 泰榮先生が”歯科インプラント表面処理の理解”について発表されました。

特別講演には、オッセオインテグレーションの基本理念を日本に初めて導入された小宮山彌太郎先生をお招きし”インプラント治療を再考する”と題して講演いただきました。
講演の中で小宮山先生は、最近の業者主導のインプラントの広まりに対しての問題点を指摘されました。
また新しい術式として紹介されている、ショートインプラントや傾斜埋入などは、30年以上も前にブローネマルク教授らによって試みられている事なども当時の症例のレントゲン写真を供覧して話されました。

術者の自己満足を満たすような発表が最近多く見られるが、インプラント治療は患者主導で進められねばならず、過去においても、これからも基礎研究の基で行われなければならないと述べられました。

本研究会も、業者主導の講演や研修については22年前の発足当時から否定してきました。
インプラント治療は医療であり、医療従事者ではない業者の主導で行なわれるインプラントは、医療現場ではあってはならないものです。
30年の臨床経験から話された小宮山先生の講演には会場も満席となり、会員にとっても有意義な講演会でありました。

第5回日韓学術交流会

第5回日韓学術交流会

2005年6月18日(土)第5回日韓学術交流会が韓国ソウル漢陽大学校医科大学にて開催されました。
毎年会場を日本と韓国の交代で行なっているこの交流会も5年目を迎えました。

日本側からは、阪本名誉会長、佐藤文夫先生、西村敏治先生、高田勝彦先生、奥田謙一先生、西川和章先生、そして阪本貴司の7名が参加しました。

特別講演では、高田先生が生物学的治療を中心に日本の最新外科手技なども含めて熱弁されました。
また西川先生はインプラント症例とその経過について、私は垂直的骨造成の限界について講演しました。

講演後は、日韓合同の懇親会に参加し、韓国側の歓待を受け和やかな時間を過ごすことが出来ました。
今回、韓国の若い先生方と話す機会がありましたが、日本と韓国の歯科事情の違いに驚かされました。
日本では歯科医の過剰の中、歯科医を目指す学生が少なくなってきています。
しかし、韓国では今一番難しく、最も人気があり、入りにくいのが歯学部だそうです。

本来韓国には、日本のような国民皆保険制度がありません。
韓国では歯石を取りに行くだけでも数万円を支払う必要があります。
また、韓国の国民の口腔への感心は年々高まっています。
歯科医が韓国では最も安定した収入が得られる人気のある職業なのです。

当然、韓国でのインプラントの需要も高く、1ヶ月に100人の患者にインプラントを埋入している先生もいました。韓国はまさにインプラント埋入ブームです。
歯周治療や矯正治療、包括的に口腔内を管理し、審美的に高いレベルのゴールを求められる現在の日本の歯科事情とは大きく違って見えました。

今回の訪韓で日本の歯科治療は、一歩進んで次の時代に入ったかな、と感じました。
韓国の歯科事情も10年後には今の日本のよう患者さんの負担の軽減と口腔のトータル管理が必要とされる時代が来るように思いました。

第3回日韓口腔インプラント学術交流会

平成15年11月29・30日
■日韓口腔インプラント学術交流会及び韓国インプラント学士会10周年記念会のご報告■

大阪口腔インプラント研究会では3年前より韓国インプラント学士会との間で、日韓のインプラント学術交流会を持っております。 2003年11月29日(土)と30日(日)の2日間、西村敏治、佐藤文夫、阪本貴司各先生と福西啓八の4名が関空から、現地で川植康史先生が合流した交流会の概要を報告します。

上記4名は、11月29日午前8:00~に関空へ集合、ビジネスクラスのゆとりで、サクラ・ラウンジで打ち合わせの後、ソウルの仁川国際空港へ向かった。
かつて、何度も経験した金浦空港で長時間の不審尋問の様な入国管理の時代とは異なり、仁川国際空港では、比較的スムーズに入国でき、今昔の思いに浸りました。

1日目は、ソウル駅から5分ほどのソウル・ヒルトンホテルが会場で、14:00から登録・受付、韓国国際インプラント学士会(KCOI)創立10周年記念大会ということで日・韓・米国旗が掲げられ、花輪に囲まれた華やいだ会場でした。 100余名の参加の元で、15:00よりKCOI会長・金鴻基先生から、「Implant trends」と題して、過去50年のインプラントの歴史、インプラントの表面性状の歴史的変遷、骨の解剖等から、演者の40年間の臨床経験について教育講演がありました。

コーヒーブレイクの後、UCLA大学歯周病科助教授のThomas Han先生が「Immediate implantation」のテーマで、インプラント埋入時の診断、 1回法と2回法の選択基準、1回法における骨再生の予知性、審美的インプラントにするためのフラップデザイン、グラフティング材とメンブレンの使い分けについて教育講演をした。

18:30からWelcome partyが開催され、KCOI10周年の記念式典の表彰行事が行われた。我が大阪口腔インプラント研究会を代表して挨拶に立った西村会長は、 2001年に、日本のJR新大久保駅でホームから落ちた乗客を助けようとして亡くなった韓国人留学生の勇気ある行動を讃え、今後共継続して大阪口腔インプラント研究会と韓国国際インプラント学士会の学術交流の発展を祈念してのスピーチは、参加者に多大な感銘を与えた。

2日目は、会場をソウル大学歯科大学講堂(8F)に移して学術発表会が行われた。

9:00からHan先生が「Avoiding estheticpitfals」と題して、インプラント時の歯肉粘膜の合併症、歯間乳頭喪失への対応、歯槽骨延長法について特別講演、次いで西村会長から「Reflection on my 25-year experience in clinical implantology」と題して特別講演、大阪口腔インプラント研究会からは、川植康史先生の「Utilization of CT for dental implants」、阪本貴司先生が「Clinicel cases of implants with GBR technique」、佐藤文夫先生から「Examination of implant placement in lesions of jaw immediately after the extraction of teeth with periapical lesions」の講演がなされた。
米・日・韓国から、14の演題で2日目は終了した。いくつかのインプラント材料や器具の展示会も併催された。何よりも韓国では、日本に比較して、類似の器具や材料が安価で購入できるのはありがたいことであった。

上記4名は、再び仁川国際空港のビジネス・クラス・ラウンジで一杯酌をくみ交わしながら労をねぎらって、次回の大阪での交流会の構想を語り合ったりしながら、関空へと、あわただしい2日間の日程を終え、深夜に無事帰路についた。

第1回日韓口腔インプラント学術交流会

平成13年12月15日

大昨年の12月15日に韓国のソウルにおいて日韓口腔インプラント研究会学術交流会が開催されました。はじめての今回は、韓国口腔インプラント研究会総会に大阪口腔インプラント研究会の役員が招待されることになり、阪本先生・西村先生・佐藤先生・高田先生・山野先生と私の6名で参加することになりました。

そもそも今回の学術交流会は阪本先生と韓国インプラント研究会会長のキンホンギ先生か旧知の仲であることが発端となって企画されたものであり、キムホンギ先生以下韓国側の歓迎は力のこもったものでした。

今後毎年交互に日韓において開催される予定の学術交流会の記念すべき第一回総会は6月に大阪で行われる予定です。

以下は学術交流会同行記です。

<12月14日>
阪本先生・西村先生・佐藤先生と高田先生・山野先生と私のクミの二組に分かれて関空を発ち、一路ソウルに向かいインチョン空港に降り立ちました。空港の立派さや広さに圧倒され、韓国の経済成長振りに驚かされつつ向かったソウル市内は大量の車で大渋滞。ホテルにたどり着く頃には日はどっぷりと暮れて、ネオンが我々を誘いますが、そこは動じず?明日に備えてベッドに早々ともぐりこみました、はずです。

<12月15日>
ロッテホテルロビーで阪本先生組、キムホンギ先生たちと待ち合わせた後、ロッテデパートでキムホンギ先生にちゅうしょくをご馳走になりました。その後、キム先生のご好意で診療所を見学させていただきました。ソウルの一等地にある広い診療所はオペ室まで備え、併設の講義室では若いドクター達が熱心に卒後研修を受けていました。

夕刻からはいよいよ学術交流会です。隣のホテルのホールで行われました。キム先生、阪本先生、西村先生の挨拶の後、日本側を代表して高田先生が「新しい再生材料PRPを用いた臨床経過報告」と題して講演を行いました。今一番ホットな話題での興味深い臨床報告に、韓国側からもたくさんの質問が出されましたが、実際の臨床経験に基づいた具体的な質問は韓国の歯科治療のレベルの高さを感じされました。その後、楽しい余興が行われ、日韓口腔インプラント研究会学術交流会は次回大阪での再開を約束し無事終了したのでした。

閉会後重責を果たした一行はソウルの夜を満喫しに繰り出しました。

<12月16日>
前夜の疲れを引きずって帰国の途に着きました。来年も再び韓国に行ける事を願いつつ、上空から見たインチョン空港はやはり巨大でした。

今回学術交流会に同行して、韓国のレベルの高さを実感しましたが、何よりも驚かされたのは一緒に行った先輩先生方のバイタリティーとパワーではなかったかと思います。私も負けないよう頑張らなければいけないと痛感しました。